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日光田母沢御用邸記念公園の庭園では、2004 年（平成１６）に天皇陛下の御意向により栃木県に贈られた「ナスヒオウギアヤメ」が、例年５月下旬頃から咲き始め６月中旬頃に見頃を迎えます。ナスヒオウギアヤメとは、那須地方一ツ樅付近の小川に自生するものを、川村文吾生物学御研究所員が発見し、原寛博士が「那須の植物誌（著書：昭和天皇）」に記載したヒオウギアヤメの一変種。高さ約１m の花茎の先に紫色の花をつけます。花茎は枝分かれし、内花被片は先のとがったひょうたん型で、ヒオウギアヤメに比べ大きいのが特徴です。ナスヒオウギアヤメは絶滅危惧種で、栃木県では絶滅危惧Ｉ類（A ランク）に、環境省では絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。2004 年（平成１６）に陛下の御意向により宮内庁から栃木県に贈られ、一部が当記念公園に移植されています。

クリンソウはサクラソウ科の多年草で、茎を取り囲んで何段にも重なるように花が咲くことから、五重塔などの先端部分（九輪）にたとえて名前が付けられました。千手ヶ浜の約２万平方メートルに白やピンクの可憐な花が咲きます。外山沢川周辺では濃い赤の花、柳沢川南側では白花が多く、それらが交配して花の色に変化があるのが特徴です。

日光の霧降高原は群生地として有名で、開花時期になると一面がまるで黄色いじゅうたんを敷いたようになります。みどころは、旧第３・第４リフト中継地点付近（リフトはH22 に廃線）で、ゆるやかな草の斜面に一面に咲きます。ここからは展望もよく、日光連山から関東平野、高原山方面まで360 度の大パノラマを楽しめます。ニッコウキスゲが咲き始めると、日光の夏の始まりです。今年４月に「霧降高原キスゲ平園地遊歩道」が完成したことにより、遊歩道霧降高原の登山やハイキング、散策が便利になりました。