石関遺跡 (イシゼキイセキ)
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詳細
住所 | 栃木県矢板市石関 |
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矢板市石関地内にある縄文・土師期の集落跡および古墳の複合遺跡。
山麓台地上に立地する。東北新幹線工事に伴い1977(昭和52)年に栃木県教育委員会が発掘。
2回に渡る調査で縄文期住居跡2軒・土師期住居跡6・方形周溝墓1基・土壙25基などを検出。
方形周溝墓からの副葬品は見つからなかったが、周溝南縁に総数47個の五領式土器が見つかった。
土器は壷・甕が主で、高坏・小型丸底・小型手捏などが5.5m×4mの範囲に配置された状態で見つかった。
時期的には同じ五領期に出現する前方後円墳とは系統の異なるもので、東国の方形周溝墓はより祭祀的性格が強いとされる。
しかし本遺跡は意図的に高塚を構築し、槨形状の主体部を作り、全体的に大規模化の傾向をもつなど、方形周溝墓の基本形を保ちながらも古墳築造にみられる要素を持つ点で注目される。
古墳前期の方墳・矩形墳との相違や共通点を検討する上でも問題を提起する稀少事例である。