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宇都宮市桜4丁目。1972（昭和47）年11月開館。設計者は川崎清と財団法入建築研究協会。1981（昭和56)年には増築もされた。
白大理石と鏡面効果の強いガラスを使い、自然と建築、美術の融合をテーマとして設計された。
当時より事業は、美術に関する調査研究、美術資料の収集保管、展示と普及教育。
展覧会は企画展、平常展（館の収蔵品を展示、常設展示棟開設後は常設展）
のほか県内市町村施設を会場とする県立美術館巡回展を開催。企画展は次の方針を基盤として、
年間5回以上開催。①栃木県関係の優秀物故作家の発掘再評価（清水登之展、刑部人展など）。
②地域の美術文化の向上に資する展覧会（公募展北関東美術展など）。③民芸の優品の紹介（浜田庄司目と手など）。
④内外の美術状況の展観（現代日本美術選抜展、ミレー・コロー・クールベ展など）。
このほか、県立博物館が開設されるまでの間は⑤古美術に開する展覧会（高久靄かん展、谷文晁展など）も開催。
開館記念特別企画「栃木県の美術」展は古代から現代までの栃木県関係の一級美術品を全国から集めて展観し、
その後の展覧会活動の総論展とした。県立美術館巡回展は1976（昭和51）年から、美術の普及を目的として毎年実施しているが、展覧会の構成と運営は地域住民代表による実行委員会が当たる。同種の展覧会では県立美術館の収蔵品により、市町村が企画して開催する展覧会がある。巡回展、市町村展とも年々活況を呈し、1979年度は7市町村で開催された。
展示資料も企画展の基本方針に準じて収集されていた。
現在も展示会を含め、企画展を年4～5回開催、コレクション展も年4回テーマを設定して開催されている。
現在のコレクションは栃木県を中心とする近現代美術品など約8500点である。
主なコレクションは、
〔日本と栃木県の近代美術〕
田崎草雲「一棹揺山図」、椿椿山「花籠」、小堀鞆音「恩賜の御衣」、清水登之「パリ夜街」、川島理一郎「セーヌ河畔の景（ポン・ヌフ）」、川上澄生「初夏の風」、小杉放菴「金太郎遊行」、濱田庄司「柿釉赤絵扁壺」、加守田章二「彩色壺」、飯塚琅かん斎「竹火鉢 暖」。〔イギリスの風景画〕リチャード・ウィルソン「アクア・アチェトーサ」、トマス・ゲインズバラ「牛追いのいる風景」、ジョン・コンスタブル「デダムの谷」、J.M.W.ターナー「風景・タンバリンをもつ女」
〔フランスの絵画〕
カミーユ・コロー「ヴィル=ダヴレーの池（洗濯女たちと水飼場に来る馬）」、
コンスタン・トロワイヨン「水を渡る牛(帰途)」、クロード・モネ「サン=タドレスの海岸」、
アレクサンドル・カバネル「狩りの女神ディアナ」
〔戦後の日本美術〕
中村宏「パシフィック」、白髪一雄「天勇星　大刀」
〔現代美術〕
柄澤齊「肖像 IV　アルチュール・ランボー」、舟越桂「風をためて」、戸谷成雄「森」、石原友明「不自由な眼差し #6」、オノデラユキ「〈古着のポートレイト〉No.32」、笠原恵実子「Pink #1」、パトリック・コールフィールド「食堂、台所、居間」、トーマス・ルフ「肖像(Simone Buch)」、ソフィー・カル「自伝－ストリップ・ティーズ」、キキ・スミス「私の青い湖」