東照宮の刀剣 (トウショウグウノトウケン)
詳細
住所 |
〒 321-1431 栃木県日光市山内2280 |
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照会先 | 日光東照宮宝物館 |
照会先電話番号 | 0288-54-2558 |
ホームページURL | http://www.toshogu.jp/shisetsu/houmotsu.html |
東照宮に蔵せられる刀剣は,①徳川家康の御在世品と呼ばれる分、②東照宮の神忌や幕府の嘉儀あるごとに進献された分、③古く進献された品で火災にあって焼損したままで伝えられている分、等に分けられる。
①の分でまず指を屈するのは助真の太刀で、この作は長さが71.21cm、反りが2.88cmあり、身幅広く腰反り高く太刀姿が堂々として、鍛えは板目肌つよく乱れうつりが立ち、刃文は大丁子乱れが華かで、中心は少し磨上げて佩表に「助真」と銘がある。
助真は鎌倉中期備前国福岡一文字派の名工で、のちに鎌倉でも打ったという。この太刀は加藤清正から家康に贈られた。世に日光助真と呼ばれて名高く、高尚な気品が溢れたその拵は助真拵と称して桃山期刀装の優品と目されている。国宝。
助真に優るとも劣らないのが同じく国宝の国宗の太刀である。この太刀は長さが81.75cm、反りが3.19cmあり、身幅広く腰反り高く、踏張りある堂々とした太刀姿で、鍛えは板目肌に乱れうつり立ち、刃文は小出来の丁子乱れ匂深く、生ぶ中心佩表に「国宗」と銘がある。
国宗は鎌倉中期備前国和気の名工で、これものちに鎌倉に移ったという。この太刀は池田輝政から家康に贈られた。これに附属する金梨子地桐紋散し糸巻太刀拵は、桃山期における優品で、とくに鞘に施された変化のある桐紋蒔絵は美事である。
この他家康の遣愛品として、桐紋散し赤銅金具金梨子地鞘の鐔を打たない異体の小サ刀拵を添えた、備前国長船勝光宗光合作(文明19年)の互の目乱れ刃の脇差や、気品ある合口拵を添えた無銘伝行光冠落し造込みの短刀は、いずれも重要文化財指定の名品である。