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那須郡那須町伊王野。伊王山・田辺道場。時宗。開基は那須家の分家（余一宗隆の甥）伊王野資長が持仏堂往生院としてはじめ、1267（文永4）年、一光三尊の善光寺如来を安置。本尊阿弥陀如来は国指定重要文化財、脇侍勢至菩薩は県指定重要文化財である。以来伊王野氏初期代々の菩提寺である。1280（弘安3）年、秋宗祖一遍上人の結縁あり、後二祖他阿真教上人の遊行1297（永仁5）年の頃、時宗寺院として開山になった。以来那須七騎中の一家の菩提所として、那須氏の発展と共に隆昌に赴き、伊王野にすぎたるものとして、諸記に記されている。つまり古代・中世の東山道に沿う関東北端の念仏道場として栄えた。1633（寛永10）年、伊王野氏亡び、
また1675年ごろ（寛文か延宝3）一山焼失し、これら両度の災難により寺勢は衰えたが、しだいに檀家寺の性格に推移、寺勢を挽回した。明治・大正になると寺運隆昌にむかい、昭和に至って庶民の寺として全く面目を一新した。現在はこの地域での大伽藍と多くの檀信徒数をようし、また稀な善光寺如来の本尊を安置して、衆庶の信仰の的である。住職世代を数えること45代、現住職が主宰する那須古文化研究所の存在も知られている。また境内には郷土出身文人墨客の碑が数基ある。