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宇都宮市泉町。真言宗智山派。藤原宗円の開基と伝わる。
伝えるところ、藤原宗円は源義家の持仏で比叡山横川にあった定朝作の延命地蔵菩薩立像を捧持して宇都宮城内に祀った。
宗円は着任後直ちに城郭を八角型に拡張して東養門の内に延命地蔵堂を建て、この仏を本尊とする天台宗宝錫寺を宇都宮城内に建立した。この寺が現在の延命院の興りである。
その後室町時代の1504(永正元)年、宇都宮氏17代成綱の頃に宇治醍醐寺の良範が東国を巡った時、この地蔵菩薩の霊験を得て寺と地蔵堂を建立し、寺号を真言宗宝珠寺延命院と改め真言密教を修法した。
江戸時代、将軍家光の頃は摩尼山宝珠寺延命院と号して宇都宮城城郭内にあり、1620(元和6)年に城主・本多正純が城及び市街地を拡張整備した際に現在地の西原郷・日光道に移転した。

1734(享保19)年に地蔵堂は改築された。宇都宮市内では最古の木造建築物である。
大本堂その他は1773年の安永の大火、1868年の戊辰の大火の際に焼け、現在の大本堂及び庫裡は1927(昭和2)年の造営である。
寛政の三奇人の一人・蒲生君平は少年時代にこの寺で勉学に励んだ。

木造地蔵菩薩像・紙本淡彩菊地愛山自画像が栃木県の有形文化財に登録されている他、地蔵堂・延命院地蔵菩薩縁日著色絵図額が宇都宮市の有形文化財に、トチノキは宇都宮市の天然記念物に指定されている。