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那須火山群の主峰（1917m）。那須五峰の中では最後に形成された最も新しい山で、那須岳ともいう。
活火山。岩石の風化作用は他の峰と比べて進まず、硫化水素の噴出もあって、植生が不十分である。
高度1400m付近が森林限界で、その上にクマザサなどの草原、高山植物地帯が広がる。複式の成層火口で山頂には直径200m、深さ30mの火口があるが、現在は噴煙もなく、凹地になっている。現在主に噴煙をあげているのは、西側斜面の二つの爆裂火口で、主に水蒸気を噴きだしているが、硫化水素（H2S）、炭酸ガス（CO2）、亜硫酸ガス（SO2）、水素ガス（H2）、塩化水素ガス（HCl）も微量ながら含まれている。噴気孔周囲には、硫黄の結晶が見られ、かつては溶触硫黄の採集も見られた。
古くから信仰の山として登山者が訪れており、山頂には祠がある。また、白い噴煙を出すところから、茶臼岳を白湯山ともいい、山岳宗教の聖地となった。近世末には、講を組織した信者が多く、三斗小屋宿はそのためににぎわい、ここから白湯山に登山する者が多かったといわれている。現在では郭公平にロープウェイが開設されており、茶臼岳はほとんど歩かずに登れる山となっている。ロープウェイ山頂駅は1690mの地点にあり、ここから山頂まで40分で登ることができる。山頂からのながめはすばらしく、湯本温泉、白河、那須野原、八溝山地が眼下に広がり、西－北には、福島県境の峰々や朝日岳、三本槍岳が望眺できる。裾野が東と南に雄大な広がりをみせ、那須十湯の温泉郷の地で別荘地、レジャー施設が数多く開発され、保養、休養地化がめざましい。